ADCALについて

日本発のコーティング技術の実用化を
産学官が一体となって推進

セラミックコーティング技術は、耐摩耗性、耐焼付き性、耐腐食性、耐酸化性に優れたセラミック膜をコーティングすることで製品の性能、寿命、使用範囲等を大幅に向上できるため、工具や金型を始め機械部品、半導体部品、製造装置及び産業機械、さらには航空機や自動車産業でのエンジンの耐熱性改善など幅広い分野に応用されています。

この高性能セラミックコーティング分野のグローバル市場は、海外市場調査レポートによれば、2021年の推計103億ドル(1.1兆円)から、2026年には132億ドル(1.45兆円)へと漸増が予測されています。地球温暖化対策の高まりとともに、蓄電池やパワーエレクトロニクスなどのエネルギー関連分野をはじめとして更なる用途展開と市場規模の拡大が続くものと考えられております。

この他、医療分野においても大きな市場が予測され、特に、健康長寿社会を実現する先進バイオセラミックスとしての、様々な生体親和特性を持つセラミックコーティングイノベーションへの貢献は、今後益々高まると期待されています。

以上のような背景により、国立研究開発法人産業技術総合研究所と一般社団法人日本ファインセラミックス協会は、従来のコーティング技術の研究開発に加えて、新しいコーティング技術の研究開発、試験・評価方法の標準開発等、日本でのセラミックコーティング技術の普及と技術的な課題解決の場として、「先進コーティングアライアンス(ADCAL)」を提供しています。

会長挨拶
 

このたび、明渡純前会長の後任を務めさせていただくことになりました東北大学の小川です。会長就任に関しては、前会長からのご指名ということもありますので、しっかりと務めさせて頂きます。宜しくお願い致します。

これまで先進コーティングアライアンス(ADCAL)では、エアロゾル・デポジション法(AD法)や光有機金属分解法(光MOD法)を中心とした先進的なセラミックコーティングプロセスを応用し、半導体製造装置用部材や太陽光・二次電池などの機能性材料への応用に関する議論が活発に行われてきました。

今後は、AD法や光MOD法の高度化による更なる高機能化、低コスト化、省資源化を図る必要があります。また、それと並行して溶射やコールドスプレー技術の応用も視野に入れ、地球温暖化問題の解決に向けた2050年カーボンニュートラルへの取り組みを加速させることが重要と考えます。カーボンニュートラルに関するコーティングの役割は大きく、前述の太陽光等の再生可能エネルギー薄膜や水素ガスタービン高温部材用コーティング等への展開が考えられます。また、材料面に関しても、セラミックス単一コーティングではなく、セラミックスを主体とし、金属やポリマーと複合させたマルチマテリアルコーティングのようなものも考えていきたいと思います。

そこで、ADCALを通じ、これまでにも掲げてきた川上産業から川下産業までの幅広い企業がバリューチェーンに基づいたアライアンスを組織することによって、コーティング市場の円滑な発展を図っていきます。また、海外技術と差別化可能な独自性の高いコーティング技術の確立を進め、世界における日本のコーティング技術の高さを示していきます。 ADCALでは、このアライアンスを軸に、産学官の強固な連携体制のもとで、これらの先進コーティング技術を企業へ迅速に橋渡しするよう進めて参ります。

東北大学大学院工学研究科
附属先端材料強度科学研究センター

小川和洋

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